一般社団法人 兵庫県造園建設業協会

2月23日から2日間にわたり伊豆半島において樹木の視察・研修会を開催した。
23日は熱海の来宮神社において、国指定天然記念物である楠を視察した。
この楠は樹齢2千年を超えるといわれ、本州一位の巨樹としても知られている。
また日本屈指のパワースポットとして知られており、健康長寿・心願成就のほかに、幹を1周廻ると寿命が1年延命する伝説や、心に願いを秘めながら1周すると願い事が叶う伝説などもあるようである。
また、今から百二十年前の嘉永年間に熱海村に大網事件という全村挙げての漁業権をめぐる事件が勃発し、その訴訟費等捻出のため、境内に聳え立っていた七本の楠のうち五本は伐られた。古記によると、残されているこの大楠をも伐ろうとして樵夫が大鋸を幹に当てようとしたところ怱然として白髪の老人が現れ、両手を広げてこれを遮る様な姿になると大鋸は手元から真っ二つに折れ、同時に白髪の老人の姿は消えてしまったとのこと。
これは神のお告げであるとして村人等は大楠を伐ることを中止したと伝えられている。
実際間近で見ると圧巻されてしまうほど大きく、幹回り24mの周囲を散策しながら、会員も2000年を超える時の流れを各々感じ取っていたようである。

少し南下し伊東市大室山のふもとにある「さくらの里」において伊東市の担当者に案内を受け問題や課題などを聞くことができた。
約40,000㎡の園内には約40種1500本の桜が植栽されており9月下旬から十月桜が咲き始め、5月に開花する佐野菊へと8か月にわたり様々な桜が開花する場所となっている。
担当者の話によると、樹勢、費用、花数、剪定方法、、てんぐす病駆除など様々な問題や課題を抱えてはいるが、実際には費用の問題もあり、てんぐす病の駆除をしている程度の管理にとどまっているとの事であった。先日の関東地方の積雪の影響もあり、桜の花はカンザクラが2~3分咲きの状況ではあったが、会員の課題と重なる部分もあり、実例を見ながら多人数で意見を出し合い問題の解決方法を探っていた。ある会員の中からは、前回視察に行った弘前の桜の維持管理方法を応用できるのでは?などの意見も出ており非常に有意義な研修となった。

翌日は河津町にて桜並木の視察に行ったところ、河津桜まつり期間中で道路は渋滞、駐車場は満車と大変な賑わいとなっていた。期間中に約100万人が訪れるとの事で大きな観光資源となっている。

こちらの桜は河津桜という品種で、昭和30年ごろ冬枯れの雑草の中で芽吹いていた約1メートルの桜の若木を偶然見つけ庭先に植えたのが始まりで、約十年後昭和41年1月下旬花が咲き始めた。その後の調査で新種の桜とわかり河津で生まれた桜であることから河津桜と命名された。この桜はオオシマザクラとカンヒザクラの自然交配種と推定されている。

 

今回は河津桜原木と桜並木を樹木医の水戸氏とボランティアガイドの案内で視察した。
河津桜原木は8分咲きで見ごろを迎えていた。原木を鑑賞しながら河津桜の解説をエピソードを交えながらうかがうことができた。やはりここでも剪定方法や植栽基盤の話題になり、今後当協会で維持管理している案件についても実践していく話が盛り上がりを見せていた。

その後歌でも知られる「浄蓮の滝」を見学後「沼津御用邸記念公園」を視察した。
この公園は造園会社が指定管理者として運営しており、見習うべき点も多いと感じた。こちらもボランティアガイドの方々に案内を受けたが、ガイドの方がイキイキとしており、限られた時間の中で要点をとらえた案内が印象に残った。

今回の視察・研修は、大クスノキや桜について、会員が造園人として新たな知識を得ることができ、会員間で得た知識の活かし方について意見交換ができた有意義な視察研修であった。