一般社団法人 兵庫県造園建設業協会

 平成28年7月15日(金)~16日(土)の梅雨明け間近の2日間。 
 当協会の平成28年度受注事業である、兵庫県立赤穂海浜公園、海洋科学館「塩の国」の
流下式塩田枝条架装置改修工事にあたって、は・か・た・の・しお!でおなじみの伯方塩業㈱
大三島工場をメインに広島市の天然記念物であり、被爆桜でもあるエバヤマザクラ等の視察
研修を行ないました。

 戦後の復興のシンボルとして植えられたバラの街、福山に入り、尾道しまなみ海道を経て
一路、愛媛県今治市の伯方の塩大三島工場へ。

1.尾道しまなみ海道 (1024x576) 2.大三島・伯方の塩 (1024x576)
尾道しまなみ海道  大三島・伯方の塩
 現地の方から海水を濃縮してかん水(濃い塩水)に、さらに塩に精製するまでの、一連の仕組みを講習頂き、工場内見学。 竹の細い枝を傘状に束ねた櫓の上から海水を潜らすことにより、風で水分が蒸発することで、かん水の濃度をより濃くする仕組みとの事です。
3.工場内見学 (1024x576) 4.塩精製までの技術講習 (1024x576)
工場内見学 塩精製までの技術講習
 流下式枝条架塩田の仕組みを図示すると次のようになります。
160727
 工場内ではミニチュアモデルも展示されており全体の構成が確認されましたが、
実際に外へ出てみると、迫力の枝条架装置が稼動しており、赤穂海浜公園のものと
同じような仕組みが見られました。
5.流下式塩田ミニチュアモデル (1024x576) 6.実物の流下式塩田枝条架装置 (1024x576)
流下式塩田ミニチュアモデル 実物の流下式塩田枝条架装置 
 7.海水の濃縮に竹枝利用 (1024x576)  8.流下式塩田の仕組み考察 (1024x576)
海水の濃縮に竹枝利用  流下式塩田の仕組み考察

 竹枝は風化により5年くらいで交換が必要と説明がありましたが、とはいえ新しければ良いのではないらしく、材料の厳選や枝のとり方、固定方法等々、従来の工法を理解した中での改善が、必要とのことでした。
 この研修を基に、赤穂海浜公園の流下式枝条架装置改修に向け、会員が協力し、その手順、工法に意見を出し合い取り組んでいこうとの事、確認を致しました。

 ここからまたすこし長くなりますが、お付き合い下さい。

 今回の研修では、私たちが造園家・業ということもあり、又場所が広島ということで、研修コースに現地ならではの樹木の考察、見学も組入れておりました。
 まずは、伯方の塩大三島工場に程近い大山祗神社にそびえる「乎知命御手植の楠」(おちのみことおてうえのくすのき)。
 樹高が15m、幹周り11m、樹齢2600年を超えるとも言われる国の天然記念物で、
あちらこちらに樹皮が剥離している状態は見られましたが、写真のように枝葉の状態も良く、
この他にも境内には、りっぱな楠が管理されていました。

 9.天然記念物 大楠 (1024x576)  10.乎知命御手植の楠 (1024x576)
天然記念物 大楠  乎知命御手植の楠
 また、この広島は、先頃、米国オバマ大統領が、現職として始めて平和記念公園を訪れたとして話題となりましたが、原爆の爆風にさらされながらも、現在にまで生き継がれている樹木が
いくつかあります。
 その一つ目が、広島市中区にある「安田女子中学校・高等学校」の被爆桜です。
 生徒会長さんから、被爆桜を守る活動やこの種の継承のための取組みなどのお話を伺い、
桜の種別や特徴などの情報交換をさせて頂きました。
 安田女子高等学校の皆様、その節はありがとうございました。
11.安田学園の被爆桜 (1024x576) 13.被爆桜考察 (1024x576)
安田学園の被爆桜 被爆桜考察
  12.生徒会長さんからの説明 (1024x576)
生徒会長さんからの説明
 そして二つ目は広島市江波山気象館のエバヤマザクラです。
 爆心地からの距離が3.7kmに位置していたこの気象館では、爆風で吹き飛んだ窓ガラスの
破片が、壁に突き刺さった後が残るほどの状況だった地でも、このエバヤマザクラが移植などの手を入れながらも残されており、これらを見るたびに樹木の生命力とさらに、それを支える人々の想いに深い感心を覚えました。
 14.広島市江波山気象館 (480x270)  16.気象台屋上から爆心地を望む (1024x576)
広島市江波山気象館 気象台屋上から爆心地を望む

江波山やまざくら被爆桜考察

江波山やまざくら被爆桜考察
 2日目は日本三景の一つ、安芸の宮島、厳島神社へ。 広島に来てここを外す訳にはいきません。
17.安芸の宮島 厳島神社 (1024x576) 18.社殿 西回廊と五重塔 (1024x576)
安芸の宮島 厳島神社 社殿 西回廊と五重塔
 国宝であり、ユネスコの世界文化遺産でもあるこの社殿でも、目に付くのは樹木ばかり。
8本の株立ちの巨大な松や豊国神社前のソテツ、枝の長さが30m近くある黒松、「龍髭の松」。
今でも年10cmほど枝を伸ばしているそうです。
20.豊国神社前の大きなソテツ (1024x576) 21.樹齢200年以上の龍髭松 (1024x576)
豊国神社前の大きなソテツ 樹齢200年以上の龍髭松
 19.株立ちの大松 (1024x576) 
株立ちの大松
 そして最後は広島原爆ドーム。観光というよりは慰問です。
ガイドさんの説明にも力が入り、当時の悲惨な状況が見えるようなエピソードを知りました。
22.広島原爆ドーム慰問 (1024x576) 23.T字橋からの原爆ドーム (1024x576)
広島原爆ドーム慰問 T字橋からの原爆ドーム
 ここでも三つ目の被爆樹木としてアオギリを考察し、実生の被爆アオギリ二世を移植し、
大事に育てている現状を見てまいりました。
24.被爆アオギリの考察 (1024x576) 25.被爆アオギリ二世 (1024x576)
 被爆アオギリの考察  被爆アオギリ二世
 最後に、広島市平和記念館にて、オバマ大統領が訪問された際に折られた4羽の折鶴を
見せて頂き、時節柄も含め、あらためて平和の尊さを感じる研修会ともなりました。
26.オバマ大統領の広島訪問 (1024x576) 27.オバマ大統領が折った4羽の折鶴 (1024x576)
オバマ大統領の広島訪問 オバマ大統領が折った4羽の折鶴
 28.平和の記念碑を前に (1024x576) 
平和の記念碑を前に
 今回の研修は、当協会として今後の事業に関連した調査研究、県外の銘木を管理している状況、そして、直近の時事に関連した内容など、非常に有意義なものとなりました。